金剛禅とは

 少林寺拳法は「宗教法人金剛禅総本山少林寺」に伝承される宗門の行です。「金剛禅」の「金剛」は、「金剛神」からきてます。

 「金剛神」とは、古くから寺の山門の左右に安置され、一般的に「仁王尊」として知られている二体の像のことです。

 もともと「金剛」という言葉自体は、古代インドのヴァジュラという武器の名が語源であるといわれ、中国で訳すと「金剛杵」という言葉をあてたものです。ダイヤモンドを金剛石というように、金剛という漢字は「きわめて堅固な」という意味があり、「金剛杵」は「最も堅固な武器」ということになります。

 「金剛杵」があらゆるものを打ち砕くように、金剛の力をもって正法を護持する仏法の守護神が「金剛神」です。

 このように「金剛禅」の名には、金剛神のような強健な肉体と精神に支えられた正義の裏づけとしての力を備えたいという願いがあるのです。

 片手は握り、片手は五指を力強く張って仁王立ちに立つ、豪快な金剛神のポーズそのものが、少林寺拳法の淵源である古代インドの拳法「那羅之捔」の構えでもあることにもよります。